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ルートヴィヒ2世の食卓

タイトルからして「宮廷料理の再現本か?」と思っていたのですが、さにあらず。王に仕えた宮廷料理人の、王に対する回想録でした。

内容的に期待とは違っていたわけですが、これはこれで非常に興味深かったです。

というのも、王に仕えるとはどういうことなのか? その畏怖と誇りが、一個人の回想とはいえ、非常にリアルに描き出されており、当時の空気を感じさせてくれます。

そして王が亡くなる日の、周囲の混乱と焦燥と失意は言葉にしがたいものがありました。

なんというか、時代がリアルに迫ってくるというか・・・。うまく言葉にできない・・・。

そしてまた、皆川卓氏による解題が良かった。

『ルートヴィヒ2世の「世界」の背景』と題して、なぜ王は城の建築にあれほどの情熱を傾けたのかが推測されていきます。

当時のバイエルンを含むドイツ国内の政治の状況、諸外国との関係、王の思う王というものの理想像等々から、「やろうとしてもできなかった(に違いない)」「こうするしかなかった(に違いない)」というのがとても納得できて、「あぁ、こういう風に歴史を学べたら面白かっただろうな」と思うことしきりでした。

だって、学校の歴史の授業は「何年に誰が何した」ということばかりで、どうにも味気ないんですよね。

日本史にしても、例えば倒幕から明治維新というのはある意味で薩摩・長州による国取りなわけで、その時の政治状況、各勢力の力関係と思惑まで交えると、もっと頭に残ってたんじゃないかな? と思ったり。

あぁ、そうか! NHK の大河ドラマ風なら楽しかっただろうな。

あと知らなかったのですが、ノイシュバンシュタイン城って、実は完成してないんですってね。

日本のお城で言うと、天守閣は出来てるけど、二の丸とかの一部の建物がない状態なんだそうです。

うへぇ。

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