パイロットの万年筆用インクに関する考察

パイロットの万年筆用のインクというと、「フローが良い」とか「裏抜けしやすい」という話をよく聞きます。あと、個人的には色が薄いかな? とも思ったり。
対してパイロットの万年筆については、なんとなくですが「インクとの相性に厳しいっぽい」という印象を持っておりました。
そういう思いの中、先日キャップレスを導入しまして、なんとなくその辺の理由が分かったような気がしたのでまとめてみました。
まずはキャップレスについて。
言わずと知れたキャップのないノック式の万年筆で、50年以上の歴史のあるロングセラーでもあります。
しかしノック式という機構のため、中身はえらく特殊なものになっております。特にニブとペン芯が。
同じパイロットのカスタム742(以下、742)と比較してみると、その違いは歴然です。
まずニブの幅が全然違います。キャップレスのニブの幅は 742 の 1/4 程しかないように見えます。
続いてペン芯ですが、こちらもキャップレスは細いです。742 の 1/3 程度でしょうか?
つまりパイロットのインクは、キャップレスのこの特殊なペン先できちんと機能するように作られているわけです。
その結果、インクとしてフローがめちゃめちゃ良くなり、フローが良い事で紙に流れ出るインクの量が他メーカーのインクと比べると多くなり、その状態で書いた字の色・濃さが丁度良くなるように調整されている。のではないかな? と、思うわけです。
そうなると、他のパイロットの万年筆もこのインクに合わせて調整されるわけで、結果としてインクとの相性に厳しくなっているのではないかな? と推測されます。
またそういうインクの特性のせいか、インクの減りも早い気がします。
キャップレスを使い始めてまだ1ヶ月ほどですが、既にカートリッジが1本空になりそうなんですよね。
個人的には、この減り方はかなり早い気がします。
もし容量の少ないコンバーター(CON-40)を使ってたら、インクの補充(吸入)はかなりの頻度になりそうです。
まぁ、その頻繁なインクの補充を楽しいと思うか、面倒と思うかは人それぞれですけど。
そんなわけで、パイロットの万年筆がインクとの相性に厳しい理由が、ちょっと分かったような気がしたのでした。