パイロット カスタム742 万年筆 SFM

字幅は F より太くて、M より細い感じで、紙へのタッチは柔らかい方が良いよなぁ。でも、そんな我儘な万年筆、あるかいな? と思っていたら、ありましたよ。
パイロットがですねぇ、SFM というペン先を作ってるじゃないですか!
ちなみに SFM というのは (S)ソフト(F)ファイン(M)ミディアムで、日本語で書くと「中細軟」となるそうです。
しかもラインナップしてるシリーズがそこそこある(カスタムだと 74,742,743、カスタムヘリテイジだと91,912)じゃないですか!
そんな中で、カスタムヘリテイジ912(以下、912) と迷ったんですが、書き比べさせてもらった結果、カスタム742(以下、742) を貰ってきました。
この2本、どこが違うの? って、どちらもニブは 10号なんですが、コーティングが違うんですよ。912のロジウムコーティングに対して、742は金メッキです。
それだけのことでナニか変わるの? と思ってたんですが、試筆させてもらうとこれが違うんです。
個体差も関係してるとは思いますけど、742 の方が柔らかい気がするんです。つか、ペン先から伝わってくるインフォメーションが 912 の方がソリッドな気がしたんです。
もしかしたら、ソフトなニブでなければそこまで違わないのかも? という気もしますけど、お店の人にも「そういう傾向はあるみたい」と言われると、そうなんでしょね。
そんなこんなでやって来ましたカスタム742 でございます。ニブは10号の14金です。
ペン芯はこんな感じ。
コンバーターは CON-70N が本体に装着された状態で付いて来ました。(あ、忘れてたけどインクカートリッジも1本付属してます)
僕は CON-70N を使うのは実は初めてなのですが、注意点がいくつかあるとのことでした。
まず第一に、 CON-70N はプッシュ式と言ってお尻の黒い部分を押してインクを吸入するんですが、ここの反発が強めなので、力を入れた時に勢い余ってペン先をインク瓶の底にぶち当てないように。とのことでした。
首軸をしっかり持ってれば良いんでしょうけど、実際にやってみると、けっこう危なっかしかったかも。これは慣れが必要ですね。
あと、ペンを垂直に立てておかないと吸いが悪いんだとか。
ネジ式(?)のコンバーターだと、ペンを斜めにしててもそれなりに吸ってくれるのですが、CON-70N はそういうもんなんですね。
となると、インク瓶に残りのインクが少なくなった時の対策は、なんか考えておいた方がよさそうです。と言っても、インクマイザーを使うくらいしか思いつきませんけど・・・。
その他、気がついた点としては、国産の他メーカーに比べると、胴軸がちょっと(5mm くらい?)長いっぽいみたい。
また、胴軸は真ん中が膨らんでないストレートな形状となっています。
では早速インクを入れて書いてみます。比較対象はおなじみ(?)ジェットストリームの 0.5 さんです。
インクはモンブランのミステリーブラックを、紙はマルマンのレポート用紙を使っております。
書き心地としてはソフトと言うだけあって、さすがに柔らかいです。つか、筆圧にわりと敏感に反応してる気がして、これはこれで慣れるのにちょっとかかるかも。
とはいえ、そういう書き味を求めてたわけですからね。そういう意味では大満足なわけで、しっかり使いこなして行きたいものです。
ニブの柔らかさを求めるなら、Parker Sonnetの初代モデルでしょうか。もう30年近く前の製品なので、新品入手の可能性はほぼ0でしょうが。
SonnetはPremierを2本持ってますが、初代程の柔らかさはないものの十分な柔らかさを感じます。最近のBrown PGTなんかとは明らかに違い、Sonnetは代替わりする毎に硬くなるという巷の評判は本当ですね。
また、Sonnetも昔はXF (EFと同じ)ニブがありましたが、今では消えてしまいました。
Posted by: 三毛にゃんジェロ | 10/25/2022 at 03:40
コメントありがとうございます。
「ニブの柔らかさを求めるなら、Parker Sonnetの初代モデル」なんですね。なるほど。
しかしヘタレの私はヴィンテージに手を出す度胸が無いのです…。
もちろん財布の中身も…。
外から見てると楽しそうなんですけどね。ヴィンテージ万年筆。
Posted by: 夢界 | 11/13/2022 at 19:27