万年筆の軸育とは?

万年筆界隈(?)には「軸育」という言葉があるそうです。発音はまんま「じくいく」です。
へ? 軸の何を育てるの? って思ったら、どうやら育てるのはペン先の方で、「万年筆をしっかり使い込んでペン先を自分の書き癖に馴染ませる」ことを軸育と言うのだそうです。
用法としては「この万年筆の軸育もだいたい終わったかな(書き心地が随分と良くなったからね)」みたいな感じなんでしょうか? 知らんけど。
て言うか、それって「軸育」じゃなくて「ペン先育」じゃね? というツッコミは置いといて、育つ軸というのも実はちゃんとあるんです。
それが木製の軸。すなわち木軸です。
ちなみに読み方ですが、「きじく」派と「もくじく」派が熾烈な覇権争いをしているとか、していないとか。
嘘ですけど。
実際、読み方はどっちでも良いらしくて、みなさん自分が使いやすい方を使われているようです。僕は「もくじく」派ですので、当ブログに記載の「木軸」は「もくじく」と読んでください。よろしくお願いします。
さて、この木軸、普段手にしているだけでも変化していくものですが、蜜蝋を塗り込んだり、布で磨いたりと、まさに軸育が楽しめるわけですよ。
また使い込むほどに表面がツルツルになってるのも魅力です。古い民家の柱とかが、長年磨かれてツルツルになってるようなものですな。
いやホントに。
そうなると手というか、指というか、肌に馴染んでとても気持ちが良いんです。なんというか、とても違和感がない感じで、まさにしっくり感が出るわけです。
特に握る所まで木のモデルだと、指の当たる部分がプラスチックとかの物と比べて微妙に柔らかい(気がする)し、寒い季節でも手にした瞬間が冷たいということもないし、ツルツルなのに実は滑らなかったりして大変結構だったりするわけです。
そんな木軸の軸育、楽しいです。