万年筆の書き心地って、本当にそんなに良いの?

気がつくと所有している万年筆の数が2桁になっていたブログ主です。
万年筆の特徴として、「なめらかな書き味」というのはよく言われることですが、今回は「本当にそうなの?」というところのお話です。
結論から先にいうと、Yes でもあり、No でもある。というのが本音です。
というのも、万年筆の多くの特徴の一つに「使う人に馴染んでくる」というのがあるのですが、手に馴染んだ万年筆はそりゃもう気持ち良く書けるわけですよ。逆におろしたて、新品の万年筆ではなかなかそうはいきません。
引っかかるわけではないものの、引っ掻き感があったりして「なめらかな書き味」と思って手にしたのに期待ハズレ。というのは、案外多いんじゃないでしょうか。
で、「使う人に馴染んでくる」とはどういう事かと言うと、使っている(書いている)うちにペン先の紙に当たる部分(ペンポイント)が紙との摩擦で摩耗して平たくなってきたり、ペン先の角が丸くなってくるんです。
そうなると、ペン先がまさに紙の上を滑るようになってくれます。この状態までくれば、手放せない唯一無二の1本になるわけです。
なんだろ? 機械の擦れ合う部分(摺動部と言うそうです)にあたりがつくのに近い感じだと思ってるんですけど、これで伝わるかなぁ?
ちなみにですが、「なめらか」というのは「抵抗感がない」というわけではなくて、「程よい抵抗感があってペン先のコントロールがしやすい」とか「力を入れなくても書ける」という意味だと個人的には思ってます。
じゃぁ、どのくらい書けばそうなるの? ってのが気になってきますが、これが一概には言えないんですよね。
聞いた話だと筆圧が高い方が、使ってる紙の表面が荒い方が、より摩耗しやすい(馴染むのが早い)らしいですけど・・・。
筆圧はかけすぎると万年筆が壊れちゃいますし、紙の表面が荒すぎるとイライラする書き心地にしかならないので、馴染ませるためにそこまでする? という気はします。
それから紙と筆圧以外にも、ペンポイントの硬さもメーカーによって違うらしいんですよね。もちろん硬い方が馴染むのに時間がかかります。
個人的に普通に使った場合の実感としては、大学ノートに400ページくらい書けば、ちょっとは変わってくるかな? という感じかなと。
あくまで「なんとなく」ですけど。
ただ、書き心地が変わる瞬間というのはハッキリとあって、どういうわけか、あるタイミングで劇的に良くなるんですよ。不思議なことに。
最近はその瞬間も楽しみの一つだったりしますけど。
とはいえ、そんなに待ってられないよ! 書く事ないよ! という場合には、ペンクリニックやペン先の調整をしてくれるお店とかで相談してみるのがいいんじゃないかな。
僕は経験がないのですが、ネットとかの情報ではかな~り良くしてもらえるみたいです。
そんなわけで、万年筆って新品だと必ずしもそこまで書き心地の良いものでもないよ。というお話でした。
蛇足ですが、中古で買った万年筆だと前に使ってた人のあたり(癖)がついてたりするので、場合によっては新品よりも書き心地的には今ひとつ。という事もあるとかないとか・・・。