シンプルに生きる教え「心配事の9割は起こらない」

タイトルだけは前から知っていて、目にする度に「そうかもなぁ」とは思っていたのですが、待望の文庫化ということで読んでみました。
基本的には仏様の教えなわけですが、考え方のヒント満載というか、そうだよね。と納得できた1冊ではなかったかなと。
ゆとりをもって、おおらかに、おだやかに暮らしていきたいと願うのは、誰しもそうだと思うのですが、心配事の種は尽きないし、なかなか難しゅうございます。
じゃぁ、そんな中でどうしていくか? って話なわけですよ。
ただ面白いのは、あくまで自分を変えていくための指針であり、考え方のヒントなわけで、間違っても他人をどうこうしようという話ではないところなんですね。
自分で変えられるのは自分だけ。当たり前といえば当たり前なんですが、つい他人をどうこうしたがってしまうのは反省すべきだなと。
そんな本書の中で、気になった点をピックアップしてみると。
一つ目は「人間関係のもつれのきっかけは、ほとんどは些細なこと」というのにはすごく同意。
ていうか、何事も「些細なこと」が原因のことって多いのではないかなと。
なんせ些細なことですからね、「このくらいいいだろう」と手抜きをしてしまうこともありますが、たいてい後で痛い目にあう事になるのは経験済みですので。
あとね、心に溜まってくんですよ。些細なことは。いや、ほんとに。
逆に一大事だと、そりゃもう一大事ですから、放置もされないし、ちゃんとフォローもするわけで、そういう意味では一大事の方が安心かも。という気もしてたりして。
お次は「夜は静かに過ごしましょう」というお話なのですが、面白いのは「大事な判断は夜中にしてはいけない」らしいんですね。
へ~! そうなの? という気もしますが、「大事な判断を夜中にすると誤りがち」なんだとか。
まぁ、一日働いてクタクタの状態では、頭もちゃんと回ってないということなんでしょうか。
そういう時はメモなり何なりして、次の日に先送りするようにしましょうかね。
あんまりネタバレしても怒られそうなので、このへんで止めときますが、そんな感じで、おそらく誰にでも何かしら「そうなんだ!」とか「そうだよね!」という考え方のヒントが見つかる一冊かな。という気がします。
ただ、一点だけ残念なのは「逃げる」という事について、あまり記載がないことなんですよね。
もっとも、悟りを開くための修行に「逃げる」という概念はないのかもしれませんが、どうしようも無くなったら逃げて良いんだよ。というのはあっても良かったかなと。
なんせ、色んな人がいらっしゃいますからね、悪い縁に捕まる事だってあるわけですよ。もしくはどうにも合わないとかね。
この「合わない」というのが非常に曲者でして、受け止める側にとっては「悪意のない悪」だったりして、悪意がない分対応に困るというか、なんというか。なわけです。
実際これはもうどうしようもないわけで、はっきり言って逃げるのが正解な気がするんですよね。
もっとも、逃げると言うとなんだか後ろめたい気がしちゃうから、戦略的撤退と言う事にしましょう。そうしましょう。
どこかの起業家の方が言われてましたけど、まずはプランAを試してみて、ダメなら次の策であるプランBを試してみて、試すプランが無くなったらプランZなんだそうです。
プランZ。つまり、諦めて実家に帰るんだとか。なるほどね。
一生懸命頑張って、いろいろ試してみたけれど、どうにも上手く行かない。という時に、それでも頑張るのは構いませんが、潰れてしまっては何にもなりませんからね。
逃げ道は用意しておくだけでも心が楽になるような気がするし、ちょっとは余裕というか、冷静さにも貢献してくれるんじゃないかなぁ。
そういう最後の最後の手段を用意しておくのって、実はすごく大事なんじゃないかなと、最近になって思うようになりました。