不用意に「2個で十分」と言ってはいけない理由

その時、僕は和菓子屋のオハギの棚の前で真剣に悩んでいました。
2個買うか? 3個にするか? という、非常に際どい選択に頭を悩ませていたのです。
大きさ的には3個食べたい。しかし今時のオハギって、周りを餡こで包んだものときな粉をまぶしたものと2種類あるじゃないですか。(実際、オハギにはまだまだ種類がありますが、この時はこの2種類で悩んでいたのです)
2個買うとすると両方一つづつでバランスがイイのですが、お腹的に物足りなさそう。かといって3個にするとなるとどちらを2個買うべきか・・・。
あまりに長い時間悩んでいるのでしびれを切らしたのか、ついに横からカミさんの軽率な一言が!
「2個で十分ですよ!」
その瞬間、思考するまもなく、まさに脊髄反射のごとく僕はつぶやいていました。
「Four please.」
と・・・。
今にして思えば、何という悲しいSF者の性というべきか、条件反射だったことでしょう。
しかしその時の僕の脳ミソは、「SF者的だなぁ」なんてちっとも考えず、次のように思考していました。
そうか! 3個じゃなくて4個買えばいいんだ! これなら二種類を2個づつでバランスもいいし、お腹も十分に満たされるぞ! と。
次の瞬間、僕は躊躇なく店員さんに2個づつ4個を注文していました。
一方カミさんの方はというと、これまた一瞬鳩が豆鉄砲を喰らったような顔になった後、「そう返すか!」と呆れ返っていました。
そして「不用意に『2個で十分』とか言うと、4個買われるのか・・・、気をつけよう」と、なにやら難しい顔でつぶやいていたような気がしますが、きっと気のせいでしょう。
さて、オハギは家に帰ってからおいしく頂いたのですが、やっぱり4個はちょっと多かったです(^_^;)