線虫は“がん”がお好き
日経デジタルヘルス の記事によりますと、九州大学などの研究グループが線虫を使って尿からがんを高感度に検出できることを発表したそうです。
何でもがん患者には特有の匂いがあることが知られていて、線虫はその匂いに反応するんだとか。しかもテストをした数十種類のがんすべてに反応したんだそうです。
おまけにがん細胞そのものじゃなくても、患者さんの尿の1滴にも同様の反応を示したっていうんですからオドロキです。しかも早期がん(ステージ0または1)にも反応するとか、ちょっと凄くないですか。
で、この線虫を用いた検査法が実用化された場合、検査の費用は1回数百円程度と画期的にお安く、しかも90%以上の精度でがんを発見できるようになるんだそうです。
個人的には検査費用はともかく、精度が高いってのは嬉しいですよね。しかも検査前の食事制限等も無くてOKとか、線虫さんってばどれだけがん検診のハードルを下げてくれるんでしょう。
この先、線虫ががん患者の尿に反応するメカニズムがきちんと解明されれば、きっと試験薬みたいなので判定できるようになって、普通の尿検査の中に組み込めるんじゃないかなぁ。なるといいなぁ。
もちろん線虫による判定も100%ではないので、ある程度の年齢を過ぎたら既存のがん検診も受けないといけないでしょうけど・・・。
ただ流れとして、尿検査でがんの陽性反応が出たら他の方法で詳しく検査していくようになるのは、一つの理想ではないかと思ったのでありました。
実際できそうな気がするし、期待したいと思います。
参照リンク
・尿1滴でがん診断、「線虫」の嗅覚で実現:医療:日経デジタルヘルス
・時事ドットコム:がん診断、尿1滴で=線虫の習性利用-10年後の実用化目指す・九大など