「我が子に本を読む習慣を持たせたい」というのは多くの親が思うことでありますが、こればっかりは本人が「その気」にならないとどうしようもないんですよね。
つまり、「本を読むと知識が身に付くぞ」とか「本を読むと楽しいぞ」と感じてもらわないことには話にならないわけです。
でもその前に「いかにして子供に本を手に取らせるか」が難しいんですよね。経験上、親に与えられた本は読まないものだし。
「朝の読書」とか学校でも本を読むきっかけを作る活動はされていますが、本好きな子には時間が短いみたいだし、そうでない子にはやらされている感が強いんじゃないかなぁ?
それに、朝の読書推進協議会 公式ホームページの~「朝の読書」導入のホームページ~によれば、「朝の読書」で読む本は「マンガと雑誌以外なら何でもOK」となってるけど、ウチの息子が「ガンダム人物列伝 (PHP文庫)」を持っていったら担任の先生に「ダメ!」って言われたし。せっかく本人が読む気を出してたのに、「ガンダムだから」って・・・ねぇ。そういう頭のカタイ先生が子供のやる気を挫くんだよ。全くぅ。
とまぁ、学校側も取り組んではいるものの、最後は家庭環境じゃないかと思うんですよ。例えば家に1冊も本が無かったら、子供は「本は学校で読むもの」と思うかもしれないし、逆に親がめちゃめちゃ楽しそうに本を読んでれば「自分も読んでみようかな?」と思うかもしれないし。
とはいえ、本がないことには手に取りようがないのは間違いありません。
実は我が息子、小学5年生になるまで本は一切読まない人だったんです。僕もカミさんも「本を読め!」と言ったことはありませんでしたから、当然と言えば当然かもしれません。壁という壁が本棚で埋め尽くされ、床からも本が生えているような家に住んでるのに勿体ない。
ところが最近、気が付くとマンガやゲームの攻略本を読んでたりするんですよ。もちろん親が自分用に買ってきてそこら辺に積んでおいた本です。
そういった本を読めるだけの国語力が身に付いてきた。というのは当然あるでしょうけど、どうやら「マンガは面白い」「攻略本で勉強しておくと、ゲームが有利に進められる」ということを、悟ったようなんです。正直ちょっとビックリしました。
でもそういった「本を読むことで得られるもの」について、感覚として知っておくことが大事だと思うんですよ。
で、ようやく電子ブックの話になるんですが、電子ブックリーダーの中に楽しみや必要とする知識が入っていることを知っている人は電源を入れて使うでしょうけど、そういうことを知らない人は電源を入れようとはしないと思うんです。
これはCDも同じで、目的(このディスクに入っている音楽を聴きたい)というのが先にあって、はじめてプレイヤーを動かすわけですよ。しかも、音楽は何もしなくても流れ込んでくるから聴くにしても楽ですよね。
ところが「本を読む」ってのは「音楽を聴く」ほど楽ではないじゃないですか。つまりよほど強い動機がなければ電子ブックの電源は入れられないんじゃないかなと。
しかも、電子ブックリーダーの使い方を覚えなきゃいけないというハードル付きですよ。でも、紙の本なら手に取ってめくればもう読めますからお手軽だし、何より直感的じゃないですか。
そんなわけで、何万冊分のデータが入った電子ブックリーダーが家にあったとしても、紙の本が1冊も無いような環境では子供に読書の習慣を付けさせるのは至難の業じゃないだろうか?と思ったのでありました。
もっとも、この先「紙の本は環境を破壊する悪だ!」てな話になって、全ての本が電子ブックになれば、また話は変わってくると思いますが・・・。
とりあえず今は、「手の届くところにいつも紙の本がある」これが大事じゃないかなぁ。別に雑誌でもマンガでもいいじゃんねぇ。
参考リンク
・朝の読書推進協議会 公式ホームページ