「情報デザイン」とは、文字通り「情報」を「デザイン」することなんですが、自分なりに定義しようとしてみるとなかなか難しいですよね。
とりあえず言葉の意味としては、デザインとは「形・色・模様などをさまざまに工夫すること」となり、情報とは「データを特定のコンテクスト(文脈・状況)で評価した結果」ということになります。
う~ん、「デザイン」の方はともかく、「情報」の方は何のコトだか良く分からないですね。
この「情報」の定義を本書の例を参考に説明すると、「今日の最高気温は35度だった」というのは単なるデータなんですね。ところが「今日の最高気温は去年の同じ日より3度高かった」となると意味を持つ「情報」となるわけです。
言い換えると「今年のデータを『去年のデータとの比較』というコンテクストで評価した」わけです。
ただ、情報というのは目に見えないことが多いので、目に見える形にデザイン(見える化)しましょう!というのが「情報デザイン」の定義となります。またその結果は「分かりやすくかつ、使いやすい」モノでなければいけません。
だって、そもそも「情報」とは伝え、共有されてこそ価値(意味)のあるモノですから。
なお本書で扱うデザインは、(目次より)以下の内容となります。
第一章 |
情報に「まとまり」をつける ─本棚整理からウェブサイトの構築まで |
第二章 |
見えない空間の地図を描く ─速度の地図からネットの地図まで |
第三章 |
時間で変化する情報をデザインする ─スケジュール管理から地域のフィールドワークまで |
第四章 |
よりわかりやすく、つかいやすく ─道具とインターフェイスのデザイン |
第五章 |
環境と身体をめぐる情報のデザイン ─生きている世界を実感するデザイン |
第六章 |
社会に開かれていく情報デザイン ─コミュニティをめぐる関係のデザイン |
先進的事例や実験的事例も多いため、すぐに何かに使えるというわけでは無いかもしれませんが、考え方や着想の勉強には良かったです。
ちなみに本書によると、Webサイトのデザインとは「サイトを訪れる人の『経験』をデザインする」ことだそうで、注意点は下記の通りだそうです。
- サイトの構造をどうするか?(情報の組織化)
- ナビゲーションシステムはどうするのか?
- 情報をどうラベリングするか?
- 検索システムはどうするのか?
また、これらとは別にユーザビリティに関する評価点として
- 学習のしやすさ
- 効率性
- 記憶しやすさ
- エラーの少なさ
- 主観的満足度の高さ
が、あるそうです。「どれだけ見た目がキレイでも、使いにくかったら意味無いよ」ということですな。
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