こんなミステリーがあったとは 「May探偵プリコロ」
おおよそミステリーなんてものは、「事件発生->探偵役が真相(トリック)をあばき->真犯人が捕まる」 という流れで展開するんですが、この「May探偵プリコロ」は一味違います。
そもそも探偵役がミステリーマニアの王子さま(以下、殿下)で、大臣達の弱みをつついて探偵事務所を開くところからして、アレなことはアレなんですが・・・。まぁ、魔夜峰央だし(笑)。
で、その殿下の推理ってのがもう当てずっぽうというか、見当違いなんだけど、ナゼか真犯人を言い当てるんですよ。しかも証拠の品が殿下の推理通り出てくるという(大笑)。
もちろん、真相は全然違ってるんですけどね。それでも真犯人がちゃんと逮捕されるんですよ。
魔夜氏はあとがきで「他人がかいたのを見たことがないので一度やってみたかった」と書いておられますが、そりゃねぇ。相当頭が良くないと書けませんよ。こんなの。
それでも本作はミステリーというよりもコメディ寄りなので、多分にご都合な部分があったり、犯人がお人好し過ぎたりもするわけですけど、この手の話を本気でやると、とても難しいと思うんですよ。
例えば「名探偵コナン」において、毛利小五郎が出鱈目な推理の挙句に「犯人はあなただ!」といきなり真犯人を指さしちゃうわけですよ。しかも小五郎の言うとおりの証拠まで出てきちゃう。真犯人は小五郎の推理を覆そうとするんだけど、そのためには真相を話さなくてはいけなくなるというジレンマに陥るような話にするわけです。
だから真相が語られようと、語られまいと真犯人が逮捕されてめでたしめでたし。
一方のコナンくんは真相を話したくて仕方がないんだけど、何も話させてもらえずに一件落着ですよ(笑)。で、阿笠博士に「おっちゃんは何も分ってないんだ!なのに、なんで・・・・」と愚痴ると(笑)。まぁ、個人的には灰原さんが活躍してくれればそれでいいんですけどね。
それはともかく、マジで目から鱗でした。