何という圧倒的なSF感 「ながるるるるるこ」
久々にコミックを読んで グッ と来たので。
とはいえ、竹本泉さんの漫画ですから、まぁいつもの通り “変” と言うか、“あれ” な内容だったりするわけですが、この 「ながるるるるるこ」 はちょっとスゴイんですよ。
何がスゴイって、ストーリーらしいストーリーが無いというね。何かが解決するとか、最後にカタルシスを得るとか、全然ないもんなぁ(褒めてます)。
お話は、主人公の女の子(るるるこ)が宇宙を漂流したり、トカゲ型宇宙人に捕まって召使にされたり、海賊に襲われたり宇宙軍に助けられたりと、書き出してみると凄く波瀾万丈っぽいんですが、全然そんなことないんですよね。
「るるるこ」にしても、特に何か目的があるというわけでもなさそうで、状況にただ “流されていく” だけなんですよ。
おまけに話しごとに時間が前後するもんだから、一応 P.108 で全体の流れが図解されてはいるものの、1回読んだだけではついて行けなかったりします。
と、こう書いてしまうと 「その何処が面白いの?」 となるんですが、確かに一般的な 「面白い」 とはちょっと違うかもなぁ。でもいいんですよ。と言うか “スゴイ” んです。いろいろと。
とにかく全編を通して漂う SF感 がもうね、たまらないというか、前々から竹本さんは SF の人だとは思ってましたが、あらためて脱帽しましたね。
いや~、正に センス・オブ・ワンダー ってやつでして、久々に心が洗われました。